【 青木景子としての活動の記録】
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青木景子から早坂類への改名についての一文 「早坂類」という人について 憂鬱な気分の日、ぶらりと入ったガラ空きのゲームセンターで16歳のマッキと知り合った。彼と私は不思議なほどさっさと仲良しになった。マッキは手作りの詩集をみせてくれてそれはとてもいい詩だった。ある日彼が「あなたを見てると羊歯類とか繁茂とかいう言葉が思い浮かぶ」とヘンなことをいった。それは奇妙なくらいあたっていた。私は以前、涼し気な一本の樹のようなシンプルな風景が好きだったのにこの頃はほの暗くて包むような湿度のある場所に茂る植物が頭をよぎる。意識の下のずっと深いところにそんな植物が育ってきたみたいに。そういう何気ないイメージが人をゆっくり根こそぎ変えてゆくんだと思う。「私は今、割とシンプルな植物系の名前を使って詩を書いているけれど(青木景子っていうんだけどね)でもそれはうんと古い憧れや思い出がつまった名前なんだ」とマッキに打ち明けると彼はぶ厚い姓名判断の本を本屋でみつけてプレゼントしてくれた。「名前なんて毎日きちんと着替えるもんだ!」っていうかっこいいメモ付きで。私は新しい詩に題をつけるみたいに自分に新しい名前をつけた。それからすぐにマッキに会えなくなった。マッキっていう呼び名が「末期」にひっかけてあることは誰かがちゃんと教えてくれていたから驚かなかったけれど当分泣いた。彼が本当はなんていう名だったのか、結局知らずに過ごしたのは何だかひどく象徴的なことではあったけれど。 |